ラグ,ドップラー?
のウィグナービレ分布は以下で定義される.
また,次のようにも書ける.
ここで,はそれぞれラグ,ドップラーであるが,こいつら何じゃらほい?となったので,少し考察することにした.なお,分かったのは計算上確かに出てくるねってところまでで,本質的な部分はよく分からなかった.以下,ふわふわとした考察を述べる.
情報の信頼性については保証しません.
フーリエ変換の復習
まず,おさらいとしてフーリエ変換について説明する.
フーリエ変換は以下のように定義される.
時間信号の周波数スペクトルがである.
からを求める場合は以下に定義する逆フーリエ変換を行う.
まとめるとこんな感じ.
ウィグナービレ分布のラグを考える
ウィグナービレ分布は信号の周波数スペクトルの時間変化を横軸を時間,縦軸を周波数,強度を色の濃淡などで表現したものである.これを斜めに見てみる.2次元で考えると強度は色の濃淡でしか表せなかったが,斜めに見ると強度はz軸で表現でき,周波数スペクトルが見える.
ここである時間における周波数スペクトルを考える.
フーリエ変換の復習を思い出すと,周波数スペクトルを逆フーリエ変換することで,時間信号が取り出せる.この周波数スペクトルを逆フーリエ変換すると時間信号的なものが取り出せそうである.ここで時間はすでに使われているため,新たにという変数を用意してみる.を←で逆フーリエ変換すると,
となる.この式においては出てきていない点に注目.は変数であるが,固定されているわけである.
最後にをで動かす(一つ一つのに対してそれぞれ逆フーリエ変換するわけである)と,以下の式が求まる.
以上のようにして時間信号的な何かが求められ,これを表現するために使われる変数がラグと呼ばれるものである.
はのinstantaneous autocorrelation function(IAF)と呼ばれたりする.
まとめるとこんな感じ.
ウィグナービレ分布のドップラーを考える
ラグの場合はを固定して考えた.今度はを固定して考える.
またウィグナービレ分布を斜めに見てみる.
ここである周波数における時間信号を考える.
この時間信号をフーリエ変換すると周波数スペクトル的なものが取り出せそうである.ここで周波数はすでに使われているため,新たにという変数を用意してみる.を→でフーリエ変換すると,
最後にをで動かす(一つ一つのに対してそれぞれフーリエ変換するわけである)と,以下の式が求まる.
以上のようにしてスペクトル的な何かが求められ,これを表現するために使われる変数がドップラーと呼ばれるものである.
はのspectral correlation function(SCF)と呼ばれたりする.
まとめるとこんな感じ.
曖昧度関数
ウィグナービレ分布を←で逆フーリエ変換すると,
ウィグナービレ分布を→でフーリエ変換すると,
となった.
それではをさらに→でフーリエ変換してみよう.
同様に,を←で逆フーリエ変換すると,
となり,計算の順番が違う(先にを固定するかを固定するかの違い)だけなので,結果は等しくなる.
ここでは曖昧度関数(ambiguity function)と呼ばれる.
書籍によっては不確定性関数と呼ばれることもあるが,どっちがメジャーかは知らない.
まとめるとこんな感じ.
ところでambiguity functionでwikipediaを調べると出てくるが,
不確定性関数 - Wikipedia
不確定性関数(ふかくていせいかんすう、英: Ambiguity function)とは、レーダーで対象物までの距離・速度を捉えた信号を処理すると、真の距離・速度の値以外の虚像値を伴っていることを表現する関数。狭義には、距離・速度に対する事後確率の関数。 一般に、マッチドフィルタ(通常、パルス圧縮レーダ等で用いられる)の受信信号に対する影響を意味する、遅延時間とドップラー周波数の2変数関数である。
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記事を読んでも全然意味が分からない.
私は雰囲気で信号処理をやっている.