ある時間信号の時間-周波数表現があるとして,を逆フーリエ変換したものをと書く.ここでをSignal Kernelと呼ぶことにする.をフーリエ変換するとになるわけだから,数式で書くと,
ここではどのような形になるか.
ある信号の例として,解析信号を考える.
瞬時周波数より,
である.
例えば5秒時点において100Hzの部分にスペクトルがあるとすればとなるわけである.
はの逆フーリエ変換なので,
ここの計算はを使えば行ける.
さて,瞬時周波数だが,
と書ける.これは中心有限差分などで検索すると色々出てくるが,ある点における傾き()は,の前後の点及びを通る直線の傾きに等しい(において)と言える.ここでが直線ならば、言い換えるとが一次式(または定数)ならば,さらに言い換えるとが二次式(または一次式)ならば,でなくても傾きは等しくなる.つまり,
これを代入すると,
よって,
この形はなんじゃらほいと考えると,まさしくウィグナービレ分布なわけである.
くどいようだが,この話が正しくなる条件としてが直線である必要がある.そうでなければ極限の近似が上手くいかないからである.